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− | 『'''キングコング'''』(''King Kong'')は、 |
+ | 『'''キングコング'''』(''King Kong'')は、1933年からアメリカで作られ始めた同名の特撮映画、もしくは作品内に登場する巨大なゴリラの怪獣の事。映画は空前の大ヒットとなり、以後『キングコング』というキャラクター(もしくはそれを強く意識したクリーチャー)を使って、現在に至るまで様々な作品が製作されている。 |
− | 日本の |
+ | 日本のゴジラシリーズにも正規のライセンスを受けて登場している。 |
== 映画作品 == |
== 映画作品 == |
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=== 『キング・コング』(1933) === |
=== 『キング・コング』(1933) === |
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+ | {{Main|キング・コング (1933年の映画)}} |
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− | [[ファイル:King_Kong_(1933)_movie_poster_(2).jpg|thumb|300px|right|1933年版のポスター]] |
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− | [[アメリカ映画]]。[[RKO]]製作。上映時間100分。劇場公開は1933年4月7日、日本公開は同年9月14日。文明社会に紛れ込んだ怪物キングコングが大暴れする。美女アンを片手に持って[[エンパイア・ステート・ビルディング|エンパイア・ステート・ビル]]に上る姿が特に有名。 |
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− | この映画におけるキングコングは、[[恐竜]]などが生息する南洋のドクロ島('''Skull Island''')から見世物にされるために[[ニューヨーク]]へ連れて来られた巨猿である。ドクロ島におけるコングの身長は18フィート(約5.4メートル=成人男性の3倍程度)、NYにおいては24フィート(約7.2メートル=成人男性の4倍程度)と設定されていた。 |
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− | 当時は[[ターザン]]映画を始めとする「ジャングルを舞台とした秘境冒険映画」や「実写の猛獣映画」が盛んに作られており、本作でもその趣向が大いに取り入れられた。本作でのコングも兇暴な猛獣として描かれており、敵対するものは容赦なく葬っている。人間を噛み殺すシーンや、アンの衣服を剥がしてその臭いをかぐシーンなど、まさに「美女と野獣」のイメージで描かれている。 |
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− | [[image:Kingkongposter.jpg|thumb|200px|left|1933年版の映画ポスター]] |
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− | 当時のアメリカは[[世界大恐慌]]の残禍も色濃い時期であり、アンの身の上などにもそれがよく現れている。大ヒットとなった背景にも、この経済的世情不安があったとの声もある<ref>Thomas Doherty著『Pre-Code Hollywood: Sex, Immorality, and Insurrection in American Cinema, 1930-1934』(1999年)第二章「配給待ちの列と興行収入の列、大恐慌のどん底のハリウッド」における論評</ref>。社会学的にもキングコングの存在は時代を映す鏡として採り上げられることも多く、欧米では「当時のアメリカの膨大な失業者」、「黒人に対する白人側の恐怖」、「母子が結びつく形での征服された性欲」などのほか、さまざまな暗喩によって説明されている<ref>Martin Monestier著『図説奇形全書』(1999年)第五部「フィクションの中の奇形」より</ref>。 |
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− | 映像面では、コングが[[人形アニメ]]([[ストップモーション・アニメ]])で表現されたことが大きな特徴である。『[[ロスト・ワールド (1925年の映画)|ロスト・ワールド]]』([[1925年]])に続いて[[ウィリス・オブライエン]]が手腕をふるう卓越した特撮映像は多くの映画人に影響を与え、数多くの著名モンスターメーカーを生み出すこととなった。[[レイ・ハリーハウゼン]]が本作の影響から映画制作を志し、のちにオブライエンの部下として『[[猿人ジョー・ヤング]]』に参加したことは有名である。また、本作は世界初の[[トーキー]]による怪獣映画としても知られる。 |
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− | コングのミニチュアモデルは、金属製の骨格(アーマチュア)を内蔵し、表面に[[ウサギ]]の毛皮を貼った40センチほどのものが数体使われた。髑髏島では丸顔、NYでは長い顔など数タイプあり、シーンごとに使われたモデルの顔が違う。また、実物大の胸像や頭部、腕部など(これらの表皮は[[クマ]]の毛皮)も作成され、人形アニメと組み合わせて適宜撮影されている。 |
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− | 当時重度の経営不振だったRKOは、本作の世界的大ヒットによって一気に持ち直した。[[アドルフ・ヒトラー]]は封切で本作を観ており、大ファンだったことで知られる。また、[[円谷英二]]が特撮監督になることを志すきっかけとなった作品でもある。[[淀川長治]]によると、公開当時、RKOにはこの映画を観た観客達から「本当にあんな生物がいるのか」との問い合わせの電話が殺到したという。 |
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− | 本作のジャングルのセットを流用し、並行して制作されたのがThe Most Dangerous Game『猟奇島』である。フェイ・レイをはじめ両方に出演している出演者もいる。 |
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− | 『コング=ゴリラの英名』と誤解するケースが多いが、ゴリラは学名も英名も「ゴリラ(Gorilla)」である。『[[特攻野郎Aチーム]]』の登場人物などに見られる「“剛力で粗野な面も持つが根は優しく純粋”というキャラクターが『コング』と名付けられる(ただし日本版のみ)」といった現象と共に、この作品が持つ影響力の大きさを示す証拠といえる。 |
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− | ; スタッフ |
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− | : 監督・制作:[[メリアン・C・クーパー]]、[[アーネスト・B・シェードザック]] |
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− | : 製作総指揮:[[デビッド・O・セルズニック]] |
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− | : 脚本:[[ジェームス・クリールマン]]、[[ルース・ローズ]] |
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− | : 撮影:[[エドワード・リンドン]]、[[バーノン・L・ウォーカー]] |
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− | : 音楽:[[マックス・スタイナー]] |
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− | : 効果:[[ハリー・レッドモンド・Jr]] |
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− | : 術:[[ウィリス・オブライエン]] |
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− | : 製作:[[マーセル・デルガド]] |
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− | ; キャスト |
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− | : [[フェイ・レイ]](アン・ダロウ) |
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− | : [[ロバート・アームストロング]](カール・デンハム) |
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− | : [[ブルース・キャボット]](ジャック・ドリスコル) |
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− | : [[フランク・ライチャー]](エンガーホーン船長) |
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− | : [[サム・ハーディー]](ウエストン) |
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− | : [[ノーブル・ジョンソン]](チーフ) |
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− | : [[スティーブ・クレメンテ]] |
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− | Image:3963_0002.jpg |
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− | Image:3963_0015.jpg |
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− | </gallery> |
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=== 日本での亜流作品 === |
=== 日本での亜流作品 === |
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− | 日本では同年に公開され大ヒット。多数の亜流作品が生まれた。鎌倉の海岸に高さ14メートルのキングコングの張りぼてが建造され、また |
+ | 日本では同年に公開され大ヒット。多数の亜流作品が生まれた。鎌倉の海岸に高さ14メートルのキングコングの張りぼてが建造され、また松竹蒲田撮影所では喜劇の神様の異名をとった[[斎藤寅次郎]]監督による『和製キング・コング』という便乗映画が撮影され、10月に公開されている。5年後の1938年には『江戸に現れたキングコング』(監督[[熊谷草弥]])が江戸を舞台にした時代劇として奈良・全勝キネマあやめ池撮影所で撮影、公開された。 |
=== 『コングの復讐』(1933) === |
=== 『コングの復讐』(1933) === |
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− | [[アメリカ映画]]。原題は『''SON OF KONG''(コングの息子)』。日本劇場公開は1934年12月。上映時間69分。『キングコング』の大ヒットにより、ほぼ同じスタッフで早々と製作された。だが制作費は前作の半分ほどに減らされ、特撮担当のオブライエンも上層部から何かと注文されることに嫌気が差し、製作終盤ではほとんどの仕事を弟子達にまかせていたという。“キングコングの子供”とされる大猿が登場。人間と行動を共にし、ドクロ島を舞台に活躍する。 |
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− | 息子コングは身長約4メートル。性質は穏やかで好奇心旺盛、愛嬌に富む。毛並みが白い。愛称はキコ。 |
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− | 同作には、恐竜の他に「架空の竜」「大熊」などのクリーチャーが登場する。 |
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− | 息子コングの設定身長はキングコングに比べ遥かに小さいが、作中に登場する実物大の腕には、『キングコング』にて使用された物が毛皮を張り替えたのみでほぼそのまま流用されている。 |
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− | '''スタッフ''' |
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− | *監督:[[アーネスト・B・シュードザック]] |
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− | *製作:[[マリアン・C・クーパー]]、[[アーネスト・B・シュードザック]] |
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− | *脚本:[[ラス・ローズ]] |
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− | *撮影:[[エドワード・リンデン]]、[[J・O・テイラー]]、[[バーノン・ウォーカー]] |
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− | *音楽:[[マックス・ステイナー]] |
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− | *特殊効果:[[ウィリス・オブライエン]] |
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− | '''キャスト''' |
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− | *[[ロバート・アームストロング]](カール・デンハム) |
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− | *[[ヘレン・マツク]](ヒルダ・ペターソン) |
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− | *[[フランク・ライヒヤー]](エングルホーン船長) |
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− | *[[ジョン・マースト]](ラルス・ヘルストーム) |
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=== 『キングコング対ゴジラ』(1962) === |
=== 『キングコング対ゴジラ』(1962) === |
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{{Main|キングコング対ゴジラ}} |
{{Main|キングコング対ゴジラ}} |
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− | + | 日本映画。[[東宝]]製作(創立30周年記念作品)。8月11日公開。映画『ゴジラ』がアメリカでもヒットしていたことから、[[東宝]]がキングコング映画製作の権利(元々は本国にて企画された“キングコングとフランケンシュタイン博士の作り上げた巨大モンスターが闘う”という作品であった)を得て実現した企画。2大怪獣が仙台、東京などを蹂躙した後、那須や富士山麓、熱海にて激突する。本編助監督の[[梶田興治]]によると、RKOはキングコングのキャラクター使用料として、5年契約で8千万円を要求した(この金額は、当時の映画予算3本分だったという)。 |
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− | この作品におけるキングコングは、南太平洋 |
+ | この作品におけるキングコングは、南太平洋メラネシアのソロモン諸島のひとつ、ファロ島にて原住民から'''「巨大なる魔神(ましん)」'''と恐れられている存在。身長50メートルのゴジラとの比較で巨大怪獣となっている。100万ボルトの電流を受けたことにより帯電体質になり、雷に誘発される電気エネルギーを手から発してゴジラを苦しめた。講道館を正拳突きで壊すシーンがある。ファロ島でコングに敵対するキャラクターとして、「大ダコ」が登場するが、生きたタコを使ったこの特撮は、アメリカの観客に大受けだったそうである。「絶叫女優」役は[[浜美枝]]が務め、共演した[[若林映子]]とともに、この映画をきっかけに『007は二度死ぬ』の出演オファーを受けている。 |
− | キングコングはゴジラ同様に |
+ | キングコングはゴジラ同様にぬいぐるみ(着ぐるみ)で表現されているが、これも梶田助監督によると、RKOの契約条件として「顔の造型は、なるべく原典とは変えて欲しい」との要求があったそうである。造型技師の[[利光貞三]]によるコングの顔立ちは、この要求に沿って原典のコングと大きくかけ離れた日本猿風にアレンジされている(何度もの作り直しなど、かなりの試行錯誤があったという)。またぬいぐるみの容姿も、『ゴリラ型のモンスター』というよりは猩猩を思わせる和風のテイストとなっており、本国のコングファンの不興を招いている。 |
− | コングの腕は、演技者の手の入ったものと、マジックハンド風に長めの物を装着したものとを使い分けているが、後者の場合、腕の関節が二箇所あるような不自然さが残ってしまっている。コングの頭は、アクション用とアップ用の2種が造られた。また、アップ用のコングの上半身がマペットタイプで用意され、細かい表情はこれで表現されたほか、小型の人形も作られ、 |
+ | コングの腕は、演技者の手の入ったものと、マジックハンド風に長めの物を装着したものとを使い分けているが、後者の場合、腕の関節が二箇所あるような不自然さが残ってしまっている。コングの頭は、アクション用とアップ用の2種が造られた。また、アップ用のコングの上半身がマペットタイプで用意され、細かい表情はこれで表現されたほか、小型の人形も作られ、人形アニメでの撮影も1カットほど試みられている。体毛は、造型スタッフの[[開米栄三]]によると、海外から取り寄せた山羊の毛を茶色に染めて植えたとのことである。 |
− | + | スーツアクターは[[広瀬正一]]。広瀬は猿らしい仕草を出すよう、円谷英二からかなり細かい指導を受けたという。ぬいぐるみは『ウルトラQ』のゴローに流用された後『キングコングの逆襲』のプールシーン用に流用。造形は東宝の特美スタッフで、利光貞三が頭部、[[八木寛寿]]、[[八木康栄]]が胴体を担当。 |
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*身長:45メートル |
*身長:45メートル |
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=== 『キングコングの逆襲』(1967) === |
=== 『キングコングの逆襲』(1967) === |
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{{Main|キングコングの逆襲}} |
{{Main|キングコングの逆襲}} |
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− | + | 日本映画。[[東宝]]製作(創立35周年記念作品)。7月22日公開。 |
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別名は2代目キングコング。この作品におけるキングコングは、南ジャワ海のモンド島に棲んでおり、前回の『[[キングコング対ゴジラ]]』の固体とは近い種であるが、同族ではない。身長・体重は初代の半分程度の大きさでかなり小柄である。島の老人からはボー(島の言葉で王者)コングと呼ばれていた。モンド島でゴロザウルスの襲撃を受けたスーザンを救うべくゴロザウルスと対決して顎を引き裂き勝利し、島から逃げたスーザンらを泳いで追跡し水中で大ウミヘビと激闘を展開し、大ウミヘビの頭を叩きつけて再び勝利するなど強さを見せるが、その後、ドクター・フーにより捕らえられ催眠コントロール装置を頭部に装着されエレメントXの採掘作業をさせられる羽目になるが、装置が破壊されたために洗脳が解けてスーザンを追い南極から東京まで泳いで移動する。最終的には東京タワーでメカニコング2号機の手に囚われたスーザンを救うべくメカニコングと激闘を展開し、メカニンコングを転落させて破壊しスーザンを救った後、逃亡を図ったドクター・フーも殺害する。スーザンに恋していたが、初代と同様に恋愛には淡白で役目を終えた後はモンド島に泳いで帰還した。 |
別名は2代目キングコング。この作品におけるキングコングは、南ジャワ海のモンド島に棲んでおり、前回の『[[キングコング対ゴジラ]]』の固体とは近い種であるが、同族ではない。身長・体重は初代の半分程度の大きさでかなり小柄である。島の老人からはボー(島の言葉で王者)コングと呼ばれていた。モンド島でゴロザウルスの襲撃を受けたスーザンを救うべくゴロザウルスと対決して顎を引き裂き勝利し、島から逃げたスーザンらを泳いで追跡し水中で大ウミヘビと激闘を展開し、大ウミヘビの頭を叩きつけて再び勝利するなど強さを見せるが、その後、ドクター・フーにより捕らえられ催眠コントロール装置を頭部に装着されエレメントXの採掘作業をさせられる羽目になるが、装置が破壊されたために洗脳が解けてスーザンを追い南極から東京まで泳いで移動する。最終的には東京タワーでメカニコング2号機の手に囚われたスーザンを救うべくメカニコングと激闘を展開し、メカニンコングを転落させて破壊しスーザンを救った後、逃亡を図ったドクター・フーも殺害する。スーザンに恋していたが、初代と同様に恋愛には淡白で役目を終えた後はモンド島に泳いで帰還した。 |
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− | 梶田助監督によると、「『キングコング対ゴジラ』で結んだ5年契約が残っているうちに、もう一本日米合作のキングコング映画を撮ろう」という話になり、{{和暦|1966}}に『ロビンソン・クルーソー作戦 キングコング対エビラ』という脚本が[[関沢新一]]によって用意された。当初はこの脚本に沿って、コングは |
+ | 梶田助監督によると、「『キングコング対ゴジラ』で結んだ5年契約が残っているうちに、もう一本日米合作のキングコング映画を撮ろう」という話になり、{{和暦|1966}}に『ロビンソン・クルーソー作戦 キングコング対エビラ』という脚本が[[関沢新一]]によって用意された。当初はこの脚本に沿って、コングはエビラと戦う予定だったが、「『アニメ版キングコング(下記参照)』と設定をあわせて欲しい」というアメリカ側の要請により、翌年{{和暦|1967}}に、新規に[[馬淵薫]]によって脚本が書かれた。ヒロインのスーザンに従順な性格とされたり、イルカ並みに泳ぎ、[[ドクター・フー ]]やロボット・コング([[メカニコング]])と対決するなど、アニメと同様の“正義の怪獣”という色合いになっている。ライバルのメカニコングも、アメリカ側がデザインを用意したキャラクターである。[[円谷英二]]は原典に対するオマージュとして、大海蛇を登場させたり、髑髏島でのティラノサウルスとコングの戦いをモンド島においての[[ゴロザウルス]]との戦いとするなどのリメイクを行っている。原典のティラノサウルスは、前足が三本指だが、当作でもそれに倣い、ゴロザウルスは三本指となり、そのため設定も「アロサウルス」の一種とする徹底振りだった。「絶叫女優」役は、アメリカ側が連れて来たリンダ・ミラーが務めた。 |
この作品においてもキングコングはぬいぐるみで表現されているが、造形は『キングコング対ゴジラ』の物とは異なる。顔は、RKO側からの強い要請もあって、本家コングを意識したゴリラ風の大きなものとなり、瞼や口にラジコンによる開閉機構が組み込まれている。 |
この作品においてもキングコングはぬいぐるみで表現されているが、造形は『キングコング対ゴジラ』の物とは異なる。顔は、RKO側からの強い要請もあって、本家コングを意識したゴリラ風の大きなものとなり、瞼や口にラジコンによる開閉機構が組み込まれている。 |
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プールのシーン用(前作のコングの胴体を流用)、東京タワーでのアクションシーン用と併せ、3体用意され撮影された。同じ石膏型から、メインのアクション用、プールのシーン用、アップ用の3つの頭が作られ、また東京タワーのアクションシーン用には、それらとは違う別の漫画っぽい表情の頭部が使われている。 |
プールのシーン用(前作のコングの胴体を流用)、東京タワーでのアクションシーン用と併せ、3体用意され撮影された。同じ石膏型から、メインのアクション用、プールのシーン用、アップ用の3つの頭が作られ、また東京タワーのアクションシーン用には、それらとは違う別の漫画っぽい表情の頭部が使われている。 |
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− | スーツアクターは『キングコング対ゴジラ』でゴジラを演じた[[中島春雄]]。当作のために猿の動きを研究したそうで、かなり見応えのあるアクションを見せている。その後メインのぬいぐるみは『 |
+ | スーツアクターは『キングコング対ゴジラ』でゴジラを演じた[[中島春雄]]。当作のために猿の動きを研究したそうで、かなり見応えのあるアクションを見せている。その後メインのぬいぐるみは『行け! グリーンマン』の「ゴリラ」に流用された。造形は、利光貞三が頭部、八木寛寿、八木康栄が胴体を担当。 |
*身長:20メートル |
*身長:20メートル |
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{{Main|キングコング2}} |
{{Main|キングコング2}} |
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− | + | アメリカ映画。原題は『KING KONG LIVES』。劇場公開は1986年12月19日、日本公開は20日。上映時間105分。1976年に製作された『キングコング』の続編。ジョン・ギラーミン監督、[[リンダ・ハミルトン]]主演。前作の直後からスタートし、墜落により心停止状態となるも、人工心臓により復活したコングが巻き起こす大騒動を描く。雌のコングも登場し、新たな物語が展開される。 |
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=== 『キング・コング』(2005) === |
=== 『キング・コング』(2005) === |
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{{Main|キング・コング (2005年の映画)}} |
{{Main|キング・コング (2005年の映画)}} |
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− | + | アメリカ映画。1933年の第1作に感銘を受け映画監督を志したという[[ピーター・ジャクソン]]監督作品。主演は[[ナオミ・ワッツ]]。これもやはり第1作のリメイクで、当時と同じ1930年代が舞台。コングがスカルアイランドで巨虫や肉食恐竜と激闘を繰り広げた後、見世物として連れて来られたニューヨークで大暴れするというストーリーも共通している。 |
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== アニメ作品 == |
== アニメ作品 == |
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=== 『キングコング』(1967) === |
=== 『キングコング』(1967) === |
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− | アメリカの |
+ | アメリカのビデオクラフト社と日本の[[東映アニメーション|東映動画]]による日米合作。アメリカでは1966年9月10日から1969年8月31日まで[[アメリカン・ブロードキャスティング・カンパニー|ABC放送]]にて放送。日本では『001/7親指トム』とともに1967年4月5日 - 1967年10月4日にNET系で放送された。全26話。キングコングと少年ボビーの友情と、キングコングを生け捕りにしようとする[[ドクター・フー]]との戦いを描いた作品。最終話では、暴風雨の中、行方不明になったコングがニューヨークに現れ、エンパイアステートビルに登るシーンもある。ただし、急遽かけつけたボビー少年の機転でコングはビルを降り、落ちかけた橋を支えて多くの人命を救い、ニューヨーク市の鍵を贈られるというハッピーエンドになっている。東宝映画『キングコングの逆襲』の[[メカニコング]]はこの作品に登場するロボットコングが元である。 |
==== 声の出演 ==== |
==== 声の出演 ==== |
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− | *ボビー:[[藤田淑子]]/英 - ビリー・メイ・リチャーズ |
+ | *ボビー:[[藤田淑子]]/英 - ビリー・メイ・リチャーズ |
*スーザン:[[堀絢子]]/英 - スーザン・コンウェイ |
*スーザン:[[堀絢子]]/英 - スーザン・コンウェイ |
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*ボンド教授:[[納谷悟朗]]/英 - カール・バナス |
*ボンド教授:[[納谷悟朗]]/英 - カール・バナス |
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==== 主題歌(日本語吹き替え版) ==== |
==== 主題歌(日本語吹き替え版) ==== |
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:作詞・作曲:[[小林亜星]]/歌:[[藤田淑子]]とハニーナイツ |
:作詞・作曲:[[小林亜星]]/歌:[[藤田淑子]]とハニーナイツ |
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− | この曲は、 |
+ | この曲は、キャンプソングとしても広く歌われている。 |
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− | {{前後番組| |
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− | 放送局=[[テレビ朝日|NET]]系| |
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− | 放送枠=水曜19時台後半| |
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− | 番組名='''キングコング'''・[[001/7親指トム]]| |
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− | 前番組=[[ターザン]]<br />※19:30 - 20:56<br />20:00開始に短縮して継続| |
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− | 次番組=[[ジャイアントロボ]] |
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− | }} |
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== スカルアイランド == |
== スカルアイランド == |
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− | スマトラの西にあり海図には乗っていない島で、別名ドクロ島。キングコング(1933年)、[[コングの復讐]]、[[キング・コング (2005年の映画)|キング・コング(2005年)]]に登場。島には人間やキングコング、 |
+ | スマトラの西にあり海図には乗っていない島で、別名ドクロ島。キングコング(1933年)、[[コングの復讐]]、[[キング・コング (2005年の映画)|キング・コング(2005年)]]に登場。島には人間やキングコング、恐竜、巨大昆虫などが住んでいる。『コングの復讐』では火山の噴火により沈んでしまう。 |
− | 島に生息する生物は、1933年版では |
+ | 島に生息する生物は、1933年版ではステゴサウルス、アパトサウルス、ティラノサウルス、プテラノドン、スティラコサウルス、巨大昆虫、大トカゲ、大蛇、大熊の存在が確認されている。2005年版では巨大昆虫のほか、バスタトサウルス・レックス、ベナトサウルス、アパトサウルス、フィートドン、テラプスモルダクス、ピラニアドンなどの存在が確認されている。 |
== 関連作品 == |
== 関連作品 == |
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*[[キング・カンフー/コングキングの逆襲]](1977) |
*[[キング・カンフー/コングキングの逆襲]](1977) |
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*[[北京原人の逆襲]](1978) |
*[[北京原人の逆襲]](1978) |
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− | *[[キングコング2 怒りのメガトンパンチ]](1986) - |
+ | *[[キングコング2 怒りのメガトンパンチ]](1986) - ファミリーコンピュータ用ゲームソフト。コナミ制作 |
− | *[[キングコング2 甦る伝説]](1987) - |
+ | *[[キングコング2 甦る伝説]](1987) - MSX2用ゲームソフト。コナミ制作。 |
*[[マイティ・ジョー]](1998) |
*[[マイティ・ジョー]](1998) |
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== 関連項目 == |
== 関連項目 == |
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* [[月光仮面]] - マンモスコングというキャラクターが登場。シルエットは『キングコング対ゴジラ』のコングに近い。 |
* [[月光仮面]] - マンモスコングというキャラクターが登場。シルエットは『キングコング対ゴジラ』のコングに近い。 |
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− | * [[ドンキーコング]] - |
+ | * [[ドンキーコング]] - 任天堂製作のコンピュータゲーム。ドンキーコング#キングコング裁判も参照。 |
− | * [[アイアンコング]] - |
+ | * [[アイアンコング]] - タカラトミー(旧・トミー)から発売された玩具「ゾイド」の一種。ゴリラがモチーフの架空の兵器。 |
* [[15はドキドキ ピンクコング]] |
* [[15はドキドキ ピンクコング]] |
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{{キングコング}} |
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− | [[gl:King Kong]] |
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− | [[he:קינג קונג]] |
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2011年10月16日 (日) 05:27時点における最新版
『キングコング』(King Kong)は、1933年からアメリカで作られ始めた同名の特撮映画、もしくは作品内に登場する巨大なゴリラの怪獣の事。映画は空前の大ヒットとなり、以後『キングコング』というキャラクター(もしくはそれを強く意識したクリーチャー)を使って、現在に至るまで様々な作品が製作されている。
日本のゴジラシリーズにも正規のライセンスを受けて登場している。
映画作品[]
『キング・コング』(1933)[]
詳細はキング・コング (1933年の映画)を参照
日本での亜流作品[]
日本では同年に公開され大ヒット。多数の亜流作品が生まれた。鎌倉の海岸に高さ14メートルのキングコングの張りぼてが建造され、また松竹蒲田撮影所では喜劇の神様の異名をとった斎藤寅次郎監督による『和製キング・コング』という便乗映画が撮影され、10月に公開されている。5年後の1938年には『江戸に現れたキングコング』(監督熊谷草弥)が江戸を舞台にした時代劇として奈良・全勝キネマあやめ池撮影所で撮影、公開された。
『コングの復讐』(1933)[]
詳細はコングの復讐を参照
『キングコング対ゴジラ』(1962)[]
詳細はキングコング対ゴジラを参照
日本映画。東宝製作(創立30周年記念作品)。8月11日公開。映画『ゴジラ』がアメリカでもヒットしていたことから、東宝がキングコング映画製作の権利(元々は本国にて企画された“キングコングとフランケンシュタイン博士の作り上げた巨大モンスターが闘う”という作品であった)を得て実現した企画。2大怪獣が仙台、東京などを蹂躙した後、那須や富士山麓、熱海にて激突する。本編助監督の梶田興治によると、RKOはキングコングのキャラクター使用料として、5年契約で8千万円を要求した(この金額は、当時の映画予算3本分だったという)。
この作品におけるキングコングは、南太平洋メラネシアのソロモン諸島のひとつ、ファロ島にて原住民から「巨大なる魔神(ましん)」と恐れられている存在。身長50メートルのゴジラとの比較で巨大怪獣となっている。100万ボルトの電流を受けたことにより帯電体質になり、雷に誘発される電気エネルギーを手から発してゴジラを苦しめた。講道館を正拳突きで壊すシーンがある。ファロ島でコングに敵対するキャラクターとして、「大ダコ」が登場するが、生きたタコを使ったこの特撮は、アメリカの観客に大受けだったそうである。「絶叫女優」役は浜美枝が務め、共演した若林映子とともに、この映画をきっかけに『007は二度死ぬ』の出演オファーを受けている。
キングコングはゴジラ同様にぬいぐるみ(着ぐるみ)で表現されているが、これも梶田助監督によると、RKOの契約条件として「顔の造型は、なるべく原典とは変えて欲しい」との要求があったそうである。造型技師の利光貞三によるコングの顔立ちは、この要求に沿って原典のコングと大きくかけ離れた日本猿風にアレンジされている(何度もの作り直しなど、かなりの試行錯誤があったという)。またぬいぐるみの容姿も、『ゴリラ型のモンスター』というよりは猩猩を思わせる和風のテイストとなっており、本国のコングファンの不興を招いている。
コングの腕は、演技者の手の入ったものと、マジックハンド風に長めの物を装着したものとを使い分けているが、後者の場合、腕の関節が二箇所あるような不自然さが残ってしまっている。コングの頭は、アクション用とアップ用の2種が造られた。また、アップ用のコングの上半身がマペットタイプで用意され、細かい表情はこれで表現されたほか、小型の人形も作られ、人形アニメでの撮影も1カットほど試みられている。体毛は、造型スタッフの開米栄三によると、海外から取り寄せた山羊の毛を茶色に染めて植えたとのことである。
スーツアクターは広瀬正一。広瀬は猿らしい仕草を出すよう、円谷英二からかなり細かい指導を受けたという。ぬいぐるみは『ウルトラQ』のゴローに流用された後『キングコングの逆襲』のプールシーン用に流用。造形は東宝の特美スタッフで、利光貞三が頭部、八木寛寿、八木康栄が胴体を担当。
- 身長:45メートル
- 体重:2万500トン(公式パンフレットより)
『キングコングの逆襲』(1967)[]
詳細はキングコングの逆襲を参照
日本映画。東宝製作(創立35周年記念作品)。7月22日公開。
別名は2代目キングコング。この作品におけるキングコングは、南ジャワ海のモンド島に棲んでおり、前回の『キングコング対ゴジラ』の固体とは近い種であるが、同族ではない。身長・体重は初代の半分程度の大きさでかなり小柄である。島の老人からはボー(島の言葉で王者)コングと呼ばれていた。モンド島でゴロザウルスの襲撃を受けたスーザンを救うべくゴロザウルスと対決して顎を引き裂き勝利し、島から逃げたスーザンらを泳いで追跡し水中で大ウミヘビと激闘を展開し、大ウミヘビの頭を叩きつけて再び勝利するなど強さを見せるが、その後、ドクター・フーにより捕らえられ催眠コントロール装置を頭部に装着されエレメントXの採掘作業をさせられる羽目になるが、装置が破壊されたために洗脳が解けてスーザンを追い南極から東京まで泳いで移動する。最終的には東京タワーでメカニコング2号機の手に囚われたスーザンを救うべくメカニコングと激闘を展開し、メカニンコングを転落させて破壊しスーザンを救った後、逃亡を図ったドクター・フーも殺害する。スーザンに恋していたが、初代と同様に恋愛には淡白で役目を終えた後はモンド島に泳いで帰還した。
梶田助監督によると、「『キングコング対ゴジラ』で結んだ5年契約が残っているうちに、もう一本日米合作のキングコング映画を撮ろう」という話になり、テンプレート:和暦に『ロビンソン・クルーソー作戦 キングコング対エビラ』という脚本が関沢新一によって用意された。当初はこの脚本に沿って、コングはエビラと戦う予定だったが、「『アニメ版キングコング(下記参照)』と設定をあわせて欲しい」というアメリカ側の要請により、翌年テンプレート:和暦に、新規に馬淵薫によって脚本が書かれた。ヒロインのスーザンに従順な性格とされたり、イルカ並みに泳ぎ、ドクター・フー やロボット・コング(メカニコング)と対決するなど、アニメと同様の“正義の怪獣”という色合いになっている。ライバルのメカニコングも、アメリカ側がデザインを用意したキャラクターである。円谷英二は原典に対するオマージュとして、大海蛇を登場させたり、髑髏島でのティラノサウルスとコングの戦いをモンド島においてのゴロザウルスとの戦いとするなどのリメイクを行っている。原典のティラノサウルスは、前足が三本指だが、当作でもそれに倣い、ゴロザウルスは三本指となり、そのため設定も「アロサウルス」の一種とする徹底振りだった。「絶叫女優」役は、アメリカ側が連れて来たリンダ・ミラーが務めた。
この作品においてもキングコングはぬいぐるみで表現されているが、造形は『キングコング対ゴジラ』の物とは異なる。顔は、RKO側からの強い要請もあって、本家コングを意識したゴリラ風の大きなものとなり、瞼や口にラジコンによる開閉機構が組み込まれている。
このぬいぐるみも両腕にマジックハンド方式が併用されているが、今回は腕に内蔵する形式が取られ、物を掴むなど手の演技が必要な際には、それを抜いて腕を手繰り寄せる工夫がされている。植毛技術や造型技術の進歩により、前作のような不自然さは見られない。
プールのシーン用(前作のコングの胴体を流用)、東京タワーでのアクションシーン用と併せ、3体用意され撮影された。同じ石膏型から、メインのアクション用、プールのシーン用、アップ用の3つの頭が作られ、また東京タワーのアクションシーン用には、それらとは違う別の漫画っぽい表情の頭部が使われている。
スーツアクターは『キングコング対ゴジラ』でゴジラを演じた中島春雄。当作のために猿の動きを研究したそうで、かなり見応えのあるアクションを見せている。その後メインのぬいぐるみは『行け! グリーンマン』の「ゴリラ」に流用された。造形は、利光貞三が頭部、八木寛寿、八木康栄が胴体を担当。
- 身長:20メートル
- 体重:1万トン
『キングコング』(1976)[]
1976年12月17日公開、日本劇場公開は18日。上映時間は135分
詳細はキングコング (1976年の映画)を参照
『キングコング2』(1986)[]
詳細はキングコング2を参照
アメリカ映画。原題は『KING KONG LIVES』。劇場公開は1986年12月19日、日本公開は20日。上映時間105分。1976年に製作された『キングコング』の続編。ジョン・ギラーミン監督、リンダ・ハミルトン主演。前作の直後からスタートし、墜落により心停止状態となるも、人工心臓により復活したコングが巻き起こす大騒動を描く。雌のコングも登場し、新たな物語が展開される。
『キング・コング』(2005)[]
詳細はキング・コング (2005年の映画)を参照
アメリカ映画。1933年の第1作に感銘を受け映画監督を志したというピーター・ジャクソン監督作品。主演はナオミ・ワッツ。これもやはり第1作のリメイクで、当時と同じ1930年代が舞台。コングがスカルアイランドで巨虫や肉食恐竜と激闘を繰り広げた後、見世物として連れて来られたニューヨークで大暴れするというストーリーも共通している。
アニメ作品[]
『キングコング』(1967)[]
アメリカのビデオクラフト社と日本の東映動画による日米合作。アメリカでは1966年9月10日から1969年8月31日までABC放送にて放送。日本では『001/7親指トム』とともに1967年4月5日 - 1967年10月4日にNET系で放送された。全26話。キングコングと少年ボビーの友情と、キングコングを生け捕りにしようとするドクター・フーとの戦いを描いた作品。最終話では、暴風雨の中、行方不明になったコングがニューヨークに現れ、エンパイアステートビルに登るシーンもある。ただし、急遽かけつけたボビー少年の機転でコングはビルを降り、落ちかけた橋を支えて多くの人命を救い、ニューヨーク市の鍵を贈られるというハッピーエンドになっている。東宝映画『キングコングの逆襲』のメカニコングはこの作品に登場するロボットコングが元である。
声の出演[]
- ボビー:藤田淑子/英 - ビリー・メイ・リチャーズ
- スーザン:堀絢子/英 - スーザン・コンウェイ
- ボンド教授:納谷悟朗/英 - カール・バナス
主題歌(日本語吹き替え版) []
- 作詞・作曲:小林亜星/歌:藤田淑子とハニーナイツ
この曲は、キャンプソングとしても広く歌われている。
スカルアイランド[]
スマトラの西にあり海図には乗っていない島で、別名ドクロ島。キングコング(1933年)、コングの復讐、キング・コング(2005年)に登場。島には人間やキングコング、恐竜、巨大昆虫などが住んでいる。『コングの復讐』では火山の噴火により沈んでしまう。
島に生息する生物は、1933年版ではステゴサウルス、アパトサウルス、ティラノサウルス、プテラノドン、スティラコサウルス、巨大昆虫、大トカゲ、大蛇、大熊の存在が確認されている。2005年版では巨大昆虫のほか、バスタトサウルス・レックス、ベナトサウルス、アパトサウルス、フィートドン、テラプスモルダクス、ピラニアドンなどの存在が確認されている。
関連作品[]
- 猿人ジョー・ヤング(1949)
- クィーン・コング(1976)
- キング・カンフー/コングキングの逆襲(1977)
- 北京原人の逆襲(1978)
- キングコング2 怒りのメガトンパンチ(1986) - ファミリーコンピュータ用ゲームソフト。コナミ制作
- キングコング2 甦る伝説(1987) - MSX2用ゲームソフト。コナミ制作。
- マイティ・ジョー(1998)
脚注[]
関連項目[]
- 月光仮面 - マンモスコングというキャラクターが登場。シルエットは『キングコング対ゴジラ』のコングに近い。
- ドンキーコング - 任天堂製作のコンピュータゲーム。ドンキーコング#キングコング裁判も参照。
- アイアンコング - タカラトミー(旧・トミー)から発売された玩具「ゾイド」の一種。ゴリラがモチーフの架空の兵器。
- 15はドキドキ ピンクコング
外部リンク[]
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