キングコング Wiki
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キングコング』(King Kong)は、1933年からアメリカで作られ始めた同名の特撮映画、もしくは作品内に登場する巨大なゴリラの怪獣の事。映画は空前の大ヒットとなり、以後『キングコング』というキャラクター(もしくはそれを強く意識したクリーチャー)を使って、現在に至るまで様々な作品が製作されている。

日本のゴジラシリーズにも正規のライセンスを受けて登場している。

映画作品

『キング・コング』(1933)

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1933年版のポスター

アメリカ映画RKO製作。上映時間100分。劇場公開は1933年4月7日、日本公開は同年9月14日。文明社会に紛れ込んだ怪物キングコングが大暴れする。美女アンを片手に持ってエンパイア・ステート・ビルに上る姿が特に有名。

この映画におけるキングコングは、恐竜などが生息する南洋のドクロ島(Skull Island)から見世物にされるためにニューヨークへ連れて来られた巨猿である。ドクロ島におけるコングの身長は18フィート(約5.4メートル=成人男性の3倍程度)、NYにおいては24フィート(約7.2メートル=成人男性の4倍程度)と設定されていた。

当時はターザン映画を始めとする「ジャングルを舞台とした秘境冒険映画」や「実写の猛獣映画」が盛んに作られており、本作でもその趣向が大いに取り入れられた。本作でのコングも兇暴な猛獣として描かれており、敵対するものは容赦なく葬っている。人間を噛み殺すシーンや、アンの衣服を剥がしてその臭いをかぐシーンなど、まさに「美女と野獣」のイメージで描かれている。

Kingkongposter

1933年版の映画ポスター

当時のアメリカは世界大恐慌の残禍も色濃い時期であり、アンの身の上などにもそれがよく現れている。大ヒットとなった背景にも、この経済的世情不安があったとの声もある[1]。社会学的にもキングコングの存在は時代を映す鏡として採り上げられることも多く、欧米では「当時のアメリカの膨大な失業者」、「黒人に対する白人側の恐怖」、「母子が結びつく形での征服された性欲」などのほか、さまざまな暗喩によって説明されている[2]

映像面では、コングが人形アニメストップモーション・アニメ)で表現されたことが大きな特徴である。『ロスト・ワールド』(1925年)に続いてウィリス・オブライエンが手腕をふるう卓越した特撮映像は多くの映画人に影響を与え、数多くの著名モンスターメーカーを生み出すこととなった。レイ・ハリーハウゼンが本作の影響から映画制作を志し、のちにオブライエンの部下として『猿人ジョー・ヤング』に参加したことは有名である。また、本作は世界初のトーキーによる怪獣映画としても知られる。

コングのミニチュアモデルは、金属製の骨格(アーマチュア)を内蔵し、表面にウサギの毛皮を貼った40センチほどのものが数体使われた。髑髏島では丸顔、NYでは長い顔など数タイプあり、シーンごとに使われたモデルの顔が違う。また、実物大の胸像や頭部、腕部など(これらの表皮はクマの毛皮)も作成され、人形アニメと組み合わせて適宜撮影されている。

当時重度の経営不振だったRKOは、本作の世界的大ヒットによって一気に持ち直した。アドルフ・ヒトラーは封切で本作を観ており、大ファンだったことで知られる。また、円谷英二が特撮監督になることを志すきっかけとなった作品でもある。淀川長治によると、公開当時、RKOにはこの映画を観た観客達から「本当にあんな生物がいるのか」との問い合わせの電話が殺到したという。


本作のジャングルのセットを流用し、並行して制作されたのがThe Most Dangerous Game『猟奇島』である。フェイ・レイをはじめ両方に出演している出演者もいる。

『コング=ゴリラの英名』と誤解するケースが多いが、ゴリラは学名も英名も「ゴリラ(Gorilla)」である。『特攻野郎Aチーム』の登場人物などに見られる「“剛力で粗野な面も持つが根は優しく純粋”というキャラクターが『コング』と名付けられる(ただし日本版のみ)」といった現象と共に、この作品が持つ影響力の大きさを示す証拠といえる。

スタッフ
製作・監督:メリアン・C・クーパーアーネスト・B・シェードザック
製作総指揮:デビッド・O・セルズニック
脚本:ジェームス・クリールマンルース・ローズ
撮影:エドワード・リンドンバーノン・L・ウォーカー
音楽:マックス・スタイナー
効果:ハリー・レッドモンド・Jr
術:ウィリス・オブライエン
製作:マーセル・デルガド
キャスト
フェイ・レイ(アン・ダロウ)
ロバート・アームストロング(カール・デンハム)
ブルース・キャボット(ジャック・ドリスコル)
フランク・ライチャー(エンガーホーン船長)
サム・ハーディー(ウエストン)
ノーブル・ジョンソン(チーフ)
スティーブ・クレメンテ

『キング・コング』(2005)

詳細はキング・コング (2005年の映画)を参照

アメリカ映画。1933年の第1作に感銘を受け映画監督を志したというピーター・ジャクソン監督作品。主演はナオミ・ワッツ。これもやはり第1作のリメイクで、当時と同じ1930年代が舞台。コングがスカルアイランドで巨虫や肉食恐竜と激闘を繰り広げた後、見世物として連れて来られたニューヨークで大暴れするというストーリーも共通している。

アニメ作品

『キングコング』(1967)

アメリカのビデオクラフト社と日本の東映動画による日米合作。アメリカでは1966年9月10日から1969年8月31日までABC放送にて放送。日本では『001/7親指トム』とともに1967年4月5日 - 1967年10月4日にNET系で放送された。全26話。キングコングと少年ボビーの友情と、キングコングを生け捕りにしようとするドクター・フーとの戦いを描いた作品。最終話では、暴風雨の中、行方不明になったコングがニューヨークに現れ、エンパイアステートビルに登るシーンもある。ただし、急遽かけつけたボビー少年の機転でコングはビルを降り、落ちかけた橋を支えて多くの人命を救い、ニューヨーク市の鍵を贈られるというハッピーエンドになっている。東宝映画『キングコングの逆襲』のメカニコングはこの作品に登場するロボットコングが元である。

声の出演

  • ボビー:藤田淑子/英 - ビリー・メイ・リチャーズ
  • スーザン:堀絢子/英 - スーザン・コンウェイ
  • ボンド教授:納谷悟朗/英 - カール・バナス

主題歌(日本語吹き替え版) 

作詞・作曲:小林亜星/歌:藤田淑子とハニーナイツ

この曲は、キャンプソングとしても広く歌われている。

テンプレート:前後番組

スカルアイランド

スマトラの西にあり海図には乗っていない島で、別名ドクロ島。キングコング(1933年)、コングの復讐キング・コング(2005年)に登場。島には人間やキングコング、恐竜、巨大昆虫などが住んでいる。『コングの復讐』では火山の噴火により沈んでしまう。

島に生息する生物は、1933年版ではステゴサウルスアパトサウルスティラノサウルスプテラノドンスティラコサウルス、巨大昆虫、大トカゲ、大蛇、大熊の存在が確認されている。2005年版では巨大昆虫のほか、バスタトサウルス・レックス、ベナトサウルス、アパトサウルス、フィートドン、テラプスモルダクス、ピラニアドンなどの存在が確認されている。

関連作品

  • 猿人ジョー・ヤング(1949)
  • クィーン・コング(1976)
  • キング・カンフー/コングキングの逆襲(1977)
  • 北京原人の逆襲(1978)
  • キングコング2 怒りのメガトンパンチ(1986) - ファミリーコンピュータ用ゲームソフト。コナミ制作
  • キングコング2 甦る伝説(1987) - MSX2用ゲームソフト。コナミ制作。
  • マイティ・ジョー(1998)

脚注

  1. Thomas Doherty著『Pre-Code Hollywood: Sex, Immorality, and Insurrection in American Cinema, 1930-1934』(1999年)第二章「配給待ちの列と興行収入の列、大恐慌のどん底のハリウッド」における論評
  2. Martin Monestier著『図説奇形全書』(1999年)第五部「フィクションの中の奇形」より

関連項目

  • マンモスコング - 「月光仮面」に登場。シルエットは「キングコング対ゴジラ」のコングに近い。
  • ドンキーコング - 任天堂製作のコンピュータゲーム。ドンキーコング#キングコング裁判も参照。
  • アイアンコング - タカラトミー(旧・トミー)から発売された玩具ゾイド」の一種。ゴリラがモチーフの架空の兵器。
  • 15はドキドキ ピンクコング

外部リンク

テンプレート:ゴジラ

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